黄河と市街を一望する白塔山


黄河沿いから、蘭州の街は広がっている。路上から見上げる、小高い山が白塔山だ。標高1700mの頂には塔が建っていて、見晴らしが良い。
公園となっているので、休日には家族連れで賑わっている。頂上まで、なだらかな登りが続いていた。曲がりくねった階段や歩道の所々には、楼閣や寺院、茶室などがあり、市民の憩いの場になっている。
白塔山は前漢時代から、金城のこの地を守るための軍事上の要衝だった。ここには、「金城閣」と「玉皇閣」という、二つの砦たあったそうだ。
木々の茂ったこの山は、かつては緑もまばらだったという。1949年の中華人民共和国の成立後に植林されて、緑豊かな山になったそうだ。




山頂には、東風亭や喜雨亭、牡丹亭などの東屋があり、ひときわ聳えているのが白塔寺の塔である。高さ17mで、円形の基壇に、八角七層の白い塔が建っている。白塔寺とは俗称で、正式名は慈恩寺という。
この寺の由来は、元代に遡る。チンギス・ハーンに謁見しようとしたチベットの高僧が、目的を果さずにこの地で病死したという。その供養にために、塔と寺院が建てられたそうだ。明代に改修され、さらに清代に増築されて、現在に至っている。
頂上からの眺望は、素晴らしい。悠々と流れる黄河と、そこに架かる中山橋が眼下に眺められる。見渡す辺りの斜面に沿って、家々が軒を連ね、モスクやイスラム建築が目立っていた。市内には百以上のモスクがあり、市の人口の10%に当たる、30万人が回教徒で占めているそうだ。
頂上の東屋には、市の学校で教えているという、先生のグループがいた。勧められるままに、中国茶をご馳走になる。男性たちは、中国将棋に熱中していた。





                                  
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