市民の憩いの場・紅山公園



街の中心部に岩山がそそり立っているのが、「紅山公園」だ。標高は934mで、市民の憩いの場になっている。
以前来たときと比べて、まるで変わってしまった。遊園地ができ、土産屋やレストランが増え、すっかりレジャー施設に変貌している。その様はケバケバしささえ感じるが、これが今の中国の高度成長振りを、表現しているのだろう。ちょうど小学生たちの遠足に出会い、数十人が並んで集合写真を撮っていた。
山頂からは見事な眺望で、ウルムチの街が一望できる。公園の豊かな緑が広がり、そびえる高層ビル群は、五年前に比べてぐんと増えた。遠方には赤茶けた山々が連なり、その彼方には、天山山脈の白峰がどっしりと構えている。
頂にある石塔は「鎮龍塔」で、たびたび氾濫したウルムチ河の龍を鎮めるために建てられたものという。中国では、龍が暴れることによって洪水が起こるという、言い伝えがあるそうだ。
ウルムチ河は天山を源に発し、紅山の西側を流れて、ジュンガル草原に吸い込まれていく。雪解け水のために水量が一定していないので、市内はたびたび洪水に見舞われていたそうだ。1944年に行われた護岸工事によって、洪水の心配がなくなったという。さらに上流にはダムを造り、この水によってウルムチ市民を潤している。
近年この公園には、多くの建物や東屋が造られ、ケーブルカーも設置されたので、地元の人々にとって格好の憩いの場となっている。




                                  
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