ウルムチからトルファンへ



遮るものが何もない砂漠。そこに吹く風は、実に強烈だ。吹き付ける風は砂や小砂利を交えて、乗っているバスのボディーに叩き付けてくる。
「ウルムチからトルファンへの到着は風次第」と言われる、意味が分かった。まさに、風まかせのドライブである。
黄白色の荒涼とした風景の遠方には、ボクド峰(5445m)の山々が望める。そんな、白銀を戴いた山を眺めていると、砂漠のただ中を走っているとは、とても思えない心境である。
前方の砂漠の中に突然現れたのは、大規模な風力発電の風車群だ。何とも異様な光景だが、これが風の通り道であることを、如実に証明している。
この辺一帯は、偏西風が吹いているというので、風力発電には適しているだろう。ここで発電された電力の30パーセントが、ウルムチに供給されているそうだ。
たくさんの風車群が回る姿を眺めていると、中国政府のクリーン・エネルギー開発に対する、積極的な姿が感じられる。
延々と続く、ゴビ砂漠の単調な風景。ところどころに、いじけたように砂にへばりついている、唯一の緑は、ラクダ草である。そんな刺のある草も、砂漠の中では駱駝のご馳走だ。






                                  
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