楼蘭美女が眠る博物館




紅山公園から、北西に約3k行った西北路沿いに、「新疆ウイグル自治区博物館」がある。1953年に完成したこの博物館には、新疆地区で発掘した約5万点以上の歴史的文物が展示されている。正面入口は、高さ18mの緑色のドームになった、イスラム建築だ。
館内は、部屋ごとに展示エリアが区切られているので、分り易い。各民族の衣裳や住居は、「民族民俗陳列室」に。発掘された多数のミイラを公開しているのが、「古屍陳列室」だ。「歴史文物陳列室」では、歴史的文物の陳列とともに、パネルを使って新疆地区の歴史を紹介している。複雑な、シルクロードの民族の興亡が分り易い。
ここの博物館のメインは、古屍陳列室のミイラ群だ。各地で出土した、多くのミイラを展示してある。この辺一帯は砂漠地帯なので、保存状態も良く、長い年月を経ったものとは思えない姿だ。
なかでも有名なのは、かつて日本のミイラ展にも出展されたことのある、ヨーロッパ系女性の「楼蘭の美女」のミイラである。陳列ケース越しに見る楼蘭美女は、やや黒ずんだ肌をしている。それは、発見後に施された防腐処置によって、変色したものといる。発見時は、3800年もの長い時の流れを感じさせないほど、白い肌をしていたそうだ。





                                  
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