トルファン最大の都市遺跡



オアシスの町には桑やナツメヤシの並木が茂り、その緑が清々しい。ナツメヤシは新疆地方特産の木で、花が咲くころは芳香に包まれるそうだ。ウイグル帽を被った老人が、ロバ車に乗って通り過ぎて行く。
前漢の宣帝の時代に、屯田が始まった高昌故城は、トルファンの東方40kにある。周囲を約5kの城壁に囲まれた、トルファン盆地最大の都市遺跡である。
漢人植民地国家の高昌国や西州督府、それに西ウイグル王国など、それぞれの時代における中心都城として、千年余りも栄えてきた。前涼からキク氏高昌国の間に形成された城址は、外城と内城、宮城の三つの部分から構成されている。しかし破損が激しくて、辺りを見回してもその区別がはっきりとしない。広大な地に、荒涼とした風景が広がっているといったところである。
故城の内部には、王城址や景教寺院、マニ教寺院、仏教寺院址などが残っている。そんな城址遺跡からは、写本や印本などの仏教文献や公文書のほか、絹や麻、紙などに描かれた絵画が多数発見されている。
八世紀前半の出土文書によると、当時の市場には唐内外の商品が溢れていたそうだ。
玄奘がインドに仏典を求める途上、この高昌故城を訪れている。2ヵ月滞在して、1ヵ月ほど説法を行っていたそうだ。





                                  
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