新疆最大のエイティガール寺院

町の中心部の雑踏の中に、エイティガール寺院はどっしりと構えていた。黄色のタイルを張り巡らせ、青い縁取りの入った洒落た造りである。そんな、際立って化粧された姿は、辺りのくすんだ町並みとは不釣り合いだった。
この寺院は、1422年に創建された後、何度かの修復を経て現在の姿になった。
イスラム寺院の正門に当たる、エイバンの高さは12mで、左右のミナレットは18mある。壁面には、細密な文様が彫られている。
寺院に入ると町の雑踏が遮られて、コーランが響き渡ってきた。境内は樹々の緑が豊かで、埃っぽい町と比べると、別世界だ。建物の一隅では、数十人の人たちがお祈りをしていた。
モスクの正面に出ると、近くにスナナツメの大木があった。新疆の特産だという、スナナツメ。その枝には、たわわに実を付けている。香りのある黄色い花は、1週間から10日ほど咲いているという。その時節の境内は、馥郁たる香りがいっぱいに漂っていることだろう。
モスクの中は、外の暑さを遮断したかのような、涼しさを感じる。見渡す寺院の柱が、緑色に塗られている。特に意味はなくて、砂漠の民の緑への憧れを、ここに表現しているのだと、ガイド氏は言った。
この寺院の創建には、伝説がある。それは1798年のこと、一人のウイグル人の女性がパキスタンへと向かう途上に、このカシュガルの地で病死してしまった。亡くなった女性は、たくさんのお金を持っていたそうだ。そこでこの地の人々は、そのお金でこの寺院を建てたという。




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