砂漠の中のチャイハナ



どこまで行っても白茶けた大地と、いじけたように地を這っている、タマリスクばかりである。茫漠とした、丘陵草原のような砂漠が、どこまでも続いている。
ふいに前方に現われたのは、一軒の小さな家である。道路との境の庭は、かなり広いスペースが取ってある。トラックが何台か停まっており、我々のバスもその間に入った。ここはドライブ・イン、いや、チャイハナである。ここで、遅い昼食をとる。
店は、農家の土間のようだった。周囲の一段高くなった場所には座卓が置かれ、中央には、テーブルがセットしてある。わたしは、薄汚れた椅子を引き、がたつくテーブルを前にした。
なぜか低い天井すれすれに、数羽のツバメが飛びまわっており、開け放たれた出入口や窓から、外に出ようとはしないのだ。わたしたちは不思議そうに、天井を眺め回しているが、トラックの運転手たちは、何の気にも留めていない。
ウルゲンチの「H・Pホテル」で作ってもらった、昼食の弁当を開く。パンはカサカサだ。赤と青色の小さなリンゴはあるが、青リンゴは水分と甘味が、まったくない。
運良く、日本のウドンのようなラグマンを、店でサービスしてくれた。熱い汁の入った長い麺を、スプーンの端をドンブリに当てて麺を切ってから、そのスプーンですくって食べるのだ。まどろこしくて、食べ難い。使い慣れた箸の便利さを、再認識した。



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