賑わう古都・ブハラ



しだいに民家が密集し、ビルが多くなってきたころ、ブハラの街の中心部に入った。夕方の忙しい時間帯であり、人々や車などで混雑していた。
今日から二連泊する「B・Pホテル」は、緑の多いナヴォイ通り沿いにある、ロケーションの良いところだ。わが部屋の12階は、街が一望できるビューポイントだ。
そろそろ、午後4時半になろうとしている。一時間後に、街へ夕食に行くことになっている。時間がないので荷の整理はせずに、先ずはシャワーを浴びる。
食事は、街の中心部にある市民の憩いの場となっている、ラビ・ハウズの隣の店だ。「ナディール・ディヴァンベギ・メドレセ」といい、メドレセ(神学校)でありながら、民族舞踊ショーを観ながらの食事ができるのが楽しみだ。
ホテルからバスで,ものの10分ほどで,ディナー会場のメドレセに着いた。堂々としたアーチから、広い中庭に入った。入口側の舞台を中心に、十数卓のテーブルが並んでいる。すでに席に着いているグループは、賑々かにお喋りをしている。見渡したところ、日本人は我々だけで、欧米人ばかりたった。中庭をぐるりと囲む部屋は、すべて民芸品店になっていた。
わたしの隣の、ワイン好きのAさん。フルボトルを注文して、二人で飲むことにした。向かい席のBさんとYさんは、ビールである。



賑やかな演奏にのって、ウズベク民族舞踊はすぐに始まった。舞台狭しと踊る、スタイルの良い女性たち。その華やかな民族衣装もさることながら、しなやかな体つきに見惚れてしまう。それに、気品に溢れている。
それもそのはずで、ウズベキスタンでは宮廷音楽から発展した、「マカーム」と呼ばれる演奏があると聞いた。きっと、その組曲に合わせで踊っているのだろう。
羊の肉と、野菜の煮込みや羊肉ピラフ、野菜炒めなど旨かった。さらりとした味で、肉の臭みがないのは、ほどよくスパイスを利かせて料理をしているからなのだろう。焼きたてのナンは、特に良い味だった。分厚いナンは、直径が30cmほどもある、大きなものだった。
民族舞踊が終ると、ファッション・ショーだった。音楽に合わせてウズベク美女たちが、次々と舞台を一巡しては、下がって行く。「ハーン・アトラス模様」といわれる矢絣模様など、民族衣装を生かした、モダンな服装が優美である。
よく食べて、よく飲んだ。ワインの後は、わたしはビールを飲んでいた。「お里が知れる」と言われそうだが、もう腹がはち切れんばかりだ、
ショーが終って、メドレセを出た。我々を待っていたかのように、子どもたちが集まってきた。ちょうどわたしは、ポケットに日本の小銭があったので、三人の少年にあげる。十円と五円と一円玉を数枚、手の平に並べると、五円の孔明き銭に人気があった。



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