ゾロアスター教寺院の聖火



ホテルからバスで十分ほど行くと、ゾロアスター教寺院の「アーテシュキャデ」だ。
この寺院は、ヤズドにあるゾロアスター教寺院の中でも唯一、異教徒のわたしたちでも見学できる寺院である。
「アーテシュキャデ」とは、「火の家」との意で、ゾロアスター教で尊ぶ「火」から由来している。
外壁の正面上部には、「翼ある日輪」で表されたゾロアスター教の善の神、アフラ・マズダの像があり、ゾロアスター教寺院であることを示している。



規模は小さいが、内部には簡単な博物館があり、開祖ゾロアスターの肖像画などが展示されている。
中央のガラス越しに見える奥の部屋には、炎が点されている。これは、絶やされたことのない聖火で、1500年前から燃えているものだそうだ。この灯明は、アンズの木を燃やしている炎だという。
ゾロアスター教は、古代イラン(ペルシア)に始まる宗教で、善と悪の二元論を特徴とする、世界最古の一神教ともいえよう。光の象徴としての純粋な「火」を尊んだため、「拝火教」とも呼ばれている。
これは蛇足になるが、日本の電球で有名な「マツダランプ」のネーミングは、ここからきている。善の神でもあり光明神でもある、ゾロアスター教の最高神アフラ・マズダにちなんで命名されたという。



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