鳥葬の塔への道



町を出ると、あたり一帯は黄土色の世界である。沿道の両側には、土造りの家々が点在しているが、木々はまったく見られない。
道路に沿って彼方には、小高い山並みが続いている。そこにも緑はまったくなく、黄色の山肌を晒している。
バスの車窓から目にしたのは、土で固めた円錐形の大きな建物である。ガイド氏の説明によると氷室で、冬に山から運んだ氷をここに貯蔵して、夏に使うそうだ。古の時よりつちかわれてきた、砂漠の地の工夫の賜物である。



その近くには、氷室のような建物の両脇に、二つの角塔が立っているものがある。これはバードギールと呼ばれる風取り塔だ。地下には、カナートという水路が通っていて、角塔から取り入れた風で、水を冷しているという。その塔の形は、ホテルのVIPハウスに取り付けてあったものと、そっくりである。
日本ほどではないようだが、イランの四季ははっきりしているそうだ。秋は9月下旬ごろから、12月中旬ごろまでなので、もうじき秋の訪れという時節である。
砂漠都市でもある、ヤズドの気候は厳しいようだ。最高温度は47度にまで昇り、最低気温はマイナス20度まで下るそうだ。今の時期は水が少なくて、この辺の川の水は干上がっているという。しかし冬になると、恵みの雨によって、川は再び潤されるそうだ



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