美麗なイマーム・モスク


イマーム広場の南側に建つ、壮麗な寺院が「イマーム・モスク」だ。
見上げる装飾タイルの鮮やかさに目を見張ってしまう。ドームそのものが、タイル・アートの結晶でもある。
イマーム広場に面した、エイヴァーンと呼ばれるモスクに入る前の前面開放型広場の門。それは、鍾乳石にも似た特異な造形である。入口の上にはモザイク文字で、上段には大帝の名と完成年の一六一六年、下段には建造者の名が記されている。



モスクは、1611年から30年かけて建造された。創建者のアッパース一世を記念して、「マスジェデ・シャー(王のモスク)」と呼ばれていた。
このモスクは、イランのイスラム芸術と寺院建築を極めた、サファヴィー朝時代を代表する建築物でもあり、イスファハーンのシンボル的存在でもある。



ドームの中心に、モザイクで飾られた部分があった。このモスクを管理している一人という、白衣姿の高齢氏。その中心に立って、アザーンを朗詠してくれた。その朗々たる声は、余韻を残しつつエイヴァーンに響き渡っていった。



聖なる空間と、世俗とを分ける役目を果しているというエイヴァーンをくぐり、短い回廊を抜けて中庭に出る。45度斜め奥に、メッカの方向を向いた、もう一つのエイヴァーンがどっしりと構えている。



門の上部にある濃いブルーの帯状タイルには、ペルシア語が描かれていた。ガイドのムサさんの説明では、14人の聖人についての説明書きだという。
ドーム外壁のタイル装飾は、鮮やかで美麗である。
エイヴァーンを抜けると、主礼拝堂である。ドームの外側の高さが54メートルで内側が38メートルと、二重構造になっている。



見上げる、7色の彩色タイルで被われた天井ドームは、息を?むほどの美しさだ。ドームそのものが、タイル・アートの極限の美といっても過言ではないだろう。
この二重構造のドームが、さまざまに反響するのだ。拍手をすると建物全体に響き渡り、やや遅れて反響音が聞こえてきた。



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