迷路のようなバザール



イマーム広場の四方を取り囲む建物は、「バーザーレ・イスファハーン」と呼ばれるバザールになっている。その建物を中心にして店舗群は広がっていた。くねった小路の両側には店が軒を連ね、それはまさに、迷路のようである。



貴金属や絨毯、銅や真鍮の置物‥‥などなど、眩いほどの鮮やかな店が並んでいる。
古くからシルクロードの中継点として、商品を扱ってきたバザールは、ありとあらゆるものが集まっている。
そんな店を眺めながら歩いていると、背後から「こんにちは!」と、声をかけられた。振り向くと、中背のイランの青年だ。「来たな!」と、わたしは歩調をやや速めた。



彼はわたしの横にぴったりと付き、笑顔をつくろいつつ、何やかやと言ってくる。思っていた通り絨毯屋で、店に連れて行く気である。わたしは敬遠しつつ、首を横に振っていた。
しばらく付いて来たが、取り合わないでいると諦めたようで、苦笑いしつつ離れて行った。



だいぶ歩き、足も目も疲れた。どこかのチャーイハーネに入って、お茶でも飲もうと思っていた。すると偶然にも、ツアー仲間のM氏の三人連れとばったりと会った。
M氏と、二人の若い女性のAさん、Nさんと話し合って、一緒に行くことにした。



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