学問と芸術の中心地・アクロポリス





歩いている小道の両側には、建物の崩れた石材が散らばっている。前方を見やると、丘の上に崩れかけた石柱が並んで見えた。これが、アクロポリスの遺跡である。近寄るほどに、その巨大な円柱群が迫ってきた。
トラヤヌス神殿は、総て大理石造りである。正面が6本の柱で、側面は九本だ。柱頭を見ると、アカンサスの葉を組み合わせた、優美な文様である。紀元前4世紀以降に、ローマ世界全体に広がっていたコリント様式だ。
この神殿は王宮跡に造られ、ローマ皇帝ハドリアヌスが、先帝トラヤヌスに捧げたという神殿である。




紀元前4世紀に建造されたアテナ神殿は、現在は礎が残っているだけだ。芸術や学問の中心として、ヘレニズム文化の集大成であったアクロポリス。そのなかでも、ヘレニズム芸術の最高傑作といわれている、「瀕死のガリア人」などの見事な彫刻で飾られているのが、アテナ神殿である。




図書館は、エジプトのアレキサンドリア図書館に対抗して、造られたという。言い伝えによると、この図書館に脅威を感じたエジプトが、パピルスの輸出を禁止したという。
それに困ったエウメネス二世が、羊皮紙を発明したそうだ。羊皮紙の独語名のペルガモントは、ここペルガモンが語源となっている。
アレキサンドリアの図書館を灰にしたアントニウスは、この図書館をクレオパトラへの贈り物にしたという逸話も残っている。




方形の基壇の上に、円柱が並んでいるゼウス大祭壇。紀元前6世紀ごろから使われ始めたという、柱頭には羊の角のような装飾がなされている、イオニア式の円柱だ。ここは19世紀に、ドイツの発掘隊によって発見された。




かつて、ヘレニズム芸術の代表といわれた、「神と巨人たちとの戦」のレリーフがあった。しかし、ベルリン(ドイツ)に運び去られてしまったのだ。現在はその跡に、大樹が枝を広げていた。




傾斜地に造られた劇場は、その規模の巨大さに目を見張るほどだ。傾斜地の上部に向かって、扇形に広がっている。屋外だが、音響効果も非常に良いといわれている。
むろん眺望も素晴らしく、ベルガマの町を一望することができる。劇場の下までは、かなりの距離を下ることになる。そこには、ディオニソス神殿跡がテラスの端にある。




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