トルコのアルコール


ビールは「エフェス・ダルク」を一度飲んだが、トルコではほとんどが「エフェス・ビルゼン」だった。このビールは、ヨーロッパやアメリカ、ロシアに輸出しているそうだ。
トルコ・ワインは、種類も多くて美味だった。赤ワインの「ヤークーツ」や「セレクション」。白ワインの「チャンカヤ」や「ユルギュップ」など、口当たりが爽やかでフレッシュなワインが数多くある。
わたしが飲んでみたいと思っていた、トルコの焼酎「ラク」。アルコール度45度で、「ライオンのミルク」とも呼ばれている。そのラクを一昨日、イズミルで飲んだ。
ギリシアの「ウゾ」やアラブの「アラク」と同系のラクは、トルコの庶民の酒として親しまれており、水割りにすると濁って乳白色になる。このことから、ライオンのミルクと言うようだ。
独特な香りがするのは、アニスが入っているからだ。アニスはセリ科の一年草で、地中海地方原産の香辛料だ。
チビリチビリとラクを飲んでいると、ふと記憶の一ページが開かれた。それは数年前に、友人のトルコ土産に貰った、酒の味と似ていた。銘柄は忘れてしまったが、水割りで飲んだあのときの白い酒は、きっとラクだったのだ。
それにラクは、何度か飲んだことのある、中国の茅台酒に似た味がした。飲み易くて、飲んだ後の切れが良く、すっとする。ラクも茅台酒も、強い酒だ。
トルコ人の大多数はイスラム教徒なので、禁酒している人が多いだろう。しかし、宗教を大切にしながらも、ご法度の酒を楽しんでいる人も多勢いるようだ。イスラム社会であり、女性の飲酒人口は少ないというのは、理屈なしに頷ける。特にこのラクが飲める女性は、「酒好き」とか「酒豪」などと言われているそうだ。この癖の強いラクは、トルコ人でも苦手な人が結構いると聞く。
でもそんな、生きる楽しみを謳歌しているトルコ人と、盃を交わしてみたいものだ。




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